遺言無効の主張方法
遺言が無効である可能性がある場合、どのようにして遺言無効を主張するのでしょうか。もちろん、話し合いによる遺産分割協議ということも考えられますが、遺言の無効を主張するような場合では、話し合いでは協議がまとまらない場合が多いのが実情です。
そのような場合には、遺産分割調停と民事訴訟(遺言無効確認請求訴訟)という手続をとることが考えられます。
(1) 遺産分割調停
まずは、遺産分割調停を申し立て、調停手続の中で遺言が無効であることを主張します。調停とは、家庭裁判所において、裁判所の介入のもとで行う話し合いのための手続です。
当事者同士の話し合いでは解決しなかったことでも、裁判所が、当事者双方の意見を聞きながら調整をはかることにより、訴訟によらずに話し合いで解決する場合もあります。
(2) 民事訴訟(遺言無効確認請求訴訟)
遺産分割調停によっても解決に至らなかった場合は、訴訟を提起することを検討することになります。具体的には、まさにその遺言が無効か否かについて裁判所に判断を求める、「遺言無効確認請求訴訟」という訴訟を提起することとなります。
なお、この遺言無効確認請求訴訟を提起するためには、訴訟提起をする前に調停を申し立てたてる必要があります。
(3) 弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼いただいた場合、弁護士は、収集した証拠を吟味した上で、調停の申立て、訴訟の提起、戦略的な主張や立証、和解交渉等を行います。
遺言の有効性が問題となる調停や訴訟の手続は、専門的な知識や戦略性が要求されることとなるので、ご本人のみで手続を進めることは難しいことが一般的ですので、遺言の有効性に疑いがもたれるような場合には、まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。